
曜日による値動きの特徴

月曜日から金曜日の為替値動きの特徴
週明けの月曜日と週末の金曜日は、まとまった注文が入やすくドル買い需要が高まります。つまり、円安傾向です。
特に週明けは、週末の間に悪材料が出なければ安心感から買いが先行します。もちろん、週末の間に悪材料が出れば週明けの相場は円高となりますので、そのあたりは取引スタート前にチェックしておいてください。
また、週半ばにかけては中だるみの地合いとなることがあり、水曜日から木曜日にかけ円高株安が進むという場面が見られます。木曜日早朝にFOMCがあった時などは、その前後でボラティリティの高まることもあります。
ほかにも、特にオプション取引でSQ値の算出がある週の水曜日は「魔の水曜日」と呼ばれることがあります。SQ算出のある週はボラティリティが上がりやすく、週の真ん中である水曜日あたりは裁定取引による現物売りで軟調になりやすくなるからだと考えられています。
なお、土曜日・日曜日の株とFXの動きは、土日に動く!中東レートとサンデーダウの表示方法と見方で、月曜日は早朝から動くサクソバンクレート・為替チャートで確認できます。
ゴトウビの特徴と値動き
ゴトウビとは
日付に関しては、ゴトウビに注目。ゴトウビは、ゴドウ日、ゴトビあるいはゴトー日と言ったりしますが、まとまった注文が入りやすいため、通常よりもボラティリティが高まります。
日、曜日 | 特徴 |
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ゴトウビ (特に20日以前) 5日、10日、15日、20日、25日、30日 | 5日、10日、15日、20日、25日、30日というように、日付の最後が5か0になる日のこと。まとまった注文が入り、ドル買い需要が高まる(円安傾向)。 ゴトウビは、銀行が実需筋にドルを売るためのカバーディールを行うことで、仲値時間(午前10:00)までドルを買い上げ、 高くなった仲値でドルを売って利ざやを稼いでいる。 また、20日以降は輸出業者が従業員や下請け企業への支払いなどを行うため、保有しているドルを売って円に換えてくるので、ドル売りが強くなったり値動きが激しくなる。 |
月曜日と金曜日 | 週明けと週末にまとまった注文が入り、ドル買い需要が高まる(円安傾向)。 |
ゴトウビの動きは日によって異なる
ゴトウビは、銀行が実需筋にドルを売るためのカバーディールを行うことで、仲値の時間である午前10時ごろまでドルを買い上げ、高くなった仲値でドルを売って利ざやを稼ぐ、という動きが見られます。
特に20日以前のゴトウビ、5日、10日、15日のゴトウビにはまとまった買い注文が入り、ドル高で円安傾向になります。
ゴトウビの仲値では、実需のドル取引が行われるので乱高下しやすく、終わってみれば結局行って来いだったということも多いです。
一方、20日以降、20日、25日、30日のゴトウビは、輸出業者が従業員や下請け企業への支払いなどを行うため、保有しているドルを売って円に換えてくるので、ドル売りが強くなったり値動きが激しくなる場面もありますので、一概に円安傾向になるとは言い切れないので注意してください。
また、30日が月末だとドル買いとドル売りのどちらかが極端に強くなり、翌月の1日になると普通の動きに戻って一気にボラティリティが低下する、という現象も見られます。
FXの動きのさらに細かい内容は、下記為替の1日も参考にしてみてください。
月別為替の特徴と値動き
円安・円高の流れを掴む
月別に見ると、毎年なぜか円安に振れやすい7月、マーケットが大きく動きやすい10~11月などがあります。
この特徴を知っていれば、スワップポイントを稼ぐ時期や為替差益を狙うタイミングなどメリハリが付けられるため、戦略の幅が広がることになるでしょう。
米国債については、米利回りとドルの関係をご覧ください。
月 | 特徴 |
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1月 | 序盤は、新春株高で円安傾向。その後、3月の日本企業決算を前に、資金を日本国内に戻す動きが出て伸び悩むことも。(円高傾向) |
2月 | 米国債の利払い(2月15日)のため、ドルで受け取った利子を円に換える需要が強まり、ドルが売られやすくなる。(円高傾向) |
3月 | 日本企業の決算で、円高になりやすい。 |
4月 | 日本の生命保険会社や投資信託が、年間の海外投資計画を行動に移すタイミングであり、1~3月にかけて円に戻した資金を再び海外に持っていく動きがある。(円安傾向) |
5月 | 2月と同様、米国債の利払い(5月15日)のため、ドルで受け取った利子を円に換える需要が強まり、ドルが売られやすくなる。(弱い円高傾向) |
6月 | 4月と同様、各種投資が活発になり、円安傾向に。 |
7月 | 理由不明だがドル高(円安傾向)になりやすい。 1998年から2020年までの23年間のうち、約7割の15年分がドル高(円安傾向)に。 |
8月 | 2月と同様、米国債の利払い(8月15日)のため、ドルで受け取った利子を円に換える需要が強まり、ドルが売られやすくなる。(円高傾向) |
9月 | 3月と同様、日本企業の決算で、円高になりやすい。 |
10月 | 11月のヘッジファンド決算に向け、マーケットが大きく動く年がある。 |
11月 | 2月と同様、米国債の利払い(11月15日)のため、ドルで受け取った利子を円に換える需要が強まり、ドルが売られやすくなる。(円高傾向) |
12月 | 米国企業の決算があり、ドル高(円安傾向)になりやすい。 月末はクリスマス休暇のため閑散としているところに税金対策による売買で株価のボラティリティが高くなり、為替も一緒に振られる可能性も。 |
1月から3月のFX値動き
年初の1月、株式市場のスタートに注目が集まることで、最初は為替にも買いが入りやすくなります。
そのまま勢いが続く年もありますが、3月に日本の金融機関が決算を迎えるため、金利の高い海外で運用していた資金を日本国内に戻す動きがあり、それを先回りして円が買われやすくなることもあります。そのため、月初で上昇しても月末になると利食い売りも出てきて失速、円高傾向になる現象が見られます。
2月は、米国債の利払いが2月15日にあるため、ドルで受け取った利子を
円に換える需要が強まって、ドルが売られやすくなります。
つまり円高なのですが、他に悪材料は見当たらなければ、大きく円高になることはないように思えます。
3月は、日本企業の決算で、円高になりやすいです。
税金を減らすため、含み損のある株を売却するので株安、為替は円高に振れます。また、新年度を目前に控え、「株やドルを買おう」という動きは出づらいと思われます。
4月から6月のFX値動き
4月、日本の生命保険会社や投資信託が、年間の海外投資計画を行動に移すタイミングですし、1月から3月にかけて円に戻した資金を再び海外に持っていく動きが出てきます。
ドルを買って円を売りますので、円安傾向です。新年度で投資を始めようという人が増え、投資雑誌で特集が組まれることもあって、株やドルに買いが入りやすいです。
5月は2月と同様、米国債の利払いが5月15日にあるため、ドルで受け取った利子を円に換える需要が強まり、ドルが売られやすくなります。
ただ、ゴールデンウィークを無難に通過すれば、警戒感はかなり緩みますので、弱い円高といったところです。
6月は、4月と同様、色んな投資が活発になって円安になりやすいです。
7月から9月のFX値動き
7月は、理由は不明なのですがドル高で円安になりやすいです。1998年から2020年までの23年間のうち、約7割の15年分がドル高で円安傾向になりました。
6月から7月の円安に関しては、だんだん気温が上がって暑くなってきて、夏物の服やビール、清涼飲料水など生活の変わり目で消費活動が活発になるのに関係があるかもしれません。暑い日が多ければ多いほど、株高円安になるように思われます。
8月は、2月、5月と同じく、米国債の利払いが8月15日にあるので、ドルで受け取った利子を円に換える需要が強まって、ドルが売られやすいです。特に、お盆の前後はマーケットが閑散となりますので、積極的な買いは入りにくいです。
9月は、3月と同様に、日本企業の決算で円高になりやすいです。
株式市場の方も、配当の権利を受け取ったら売却して月末にかけ株安になることがありますので、注意が必要です。
10月から12月のFX値動き
10月は、11月のヘッジファンド決算に向けて、マーケットが大きく動く年があります。これまでの暴落局面や○○ショックといったものは、9月から10月にかけて発生する傾向も見られます。
11月は、2月、5月、8月と同様、米国債の利払いが11月15日にあるのため、円高傾向です。
9月から10月のマーケットが荒れていれば、そのままボラティリティの高さが続きますし、4年ごとにアメリカの大統領選挙が実施される月でもあるので、突発的な値動きが出やすいです。
11月の第4木曜日の翌日はブラックフライデー、この日はアメリカの感謝祭翌日で、感謝祭プレゼントの売れ残りを一掃するセール日になっていて、大体月末くらいまで続きます。
その売り上げや動向が翌12月に発表されるのですが、おおむね売れ行きは好調な年がほとんどなので、翌12月は株とドルが買われやすいです。さらに、米国企業の決算があるので、ドル高で円安になりやすいです。
一方、クリスマス休暇に入るためマーケットは次第に閑散となり、そこへ税金対策による売買で株とドルのボラティリティが高まることもあります。
FX月別値動きの傾向とまとめ

月ごとに明確な違いが見られる
月別に大雑把に見ると、1月は円安、2月から3月は円高傾向、3月に向けて円高圧力が強まる感じ。
4月から7月は円安傾向、新規の投資やドル買いが入って、ロングしていれば比較的勝ちやすい印象です。
8月から11月は円高傾向、うまくショートポジションを活用してみてください。
12月は円安傾向ですが、ボラティリティが低く結局レンジ相場になることもありますので、淡々とスワップポイントを稼ぐには良いです。
円買い需要による円高は、2月、5月、8月、11月が米国債の利払い、3月と9月が日本企業の決算で円高ドル安になる場面があります。
1月、4月、6~7月、12月 円安傾向
3月、5月、8~11月 円高傾向
2月、5月、8月、11月 米国債の利払いで円高傾向
3月、9月 日本企業の決算で円高傾向
【動画】投資初心者必見!日や曜日・月別のFX・株の動き
最終更新日 : 2021-06-15