
FXで利益を出す2つの方法

キャピタルゲインとインカムゲイン
FXで利益を出す方法には、毎日変動する為替レートによる利益(キャピタルゲイン)と、保有していると毎日付与されるスワップポイント(インカムゲイン)の2通りがあります。
上は、実際のポジション保有画面です。キャピタルゲインの為替差益に加え、インカムゲインのスワップポイントも追加されていることが確認できます。
10日ほど保有したポジション画面なので、スワップポイントも10日分付与されました。豪ドルは3,130円、ドル円は1,430円と2倍以上も異なっていますが、これは高金利通貨である豪ドルの方がスワップポイントが高いからです。
このように、為替差益で値幅を狙うと同時に、毎日付与されるスワップポイントを貯めていくという、2つの収益方法が同時進行するのが、FXの面白いところです。
高金利通貨は、豪ドル以外にもNZドルや南アフリカランド、トルコリラ、メキシコペソなど様々あります。
各通貨の特徴
- 米ドル(USD)
世界の基軸通貨、FX初心者向き。
- ユーロ(EUR)
米ドルに次ぐ第2の基軸通貨で値幅もある。
- ポンド(GBP)
値幅が大きくスキャルピングやデイトレに。
- 豪ドル(AUD)
意外と値幅があり、デイトレもできる。
- NZドル(NZD)
豪ドルに似た動き、スワップポイントも。
- カナダドル(CAD)
原油価格と連動しやすい資源国通貨。
- スイスフラン(CHF)
日本円同様、有事に買われることが多い。
- 南アランド(ZAR)
高いスワップポイントが魅力の通貨。
- トルコリラ(TRY)
スワップポイントは極めて高い。
- メキシコペソ(MXN)
安定的に高水準スワップポイントが付与。
- 人民元(CNY)
動向は中国政府次第だが、政策金利が割と高め。
キャピタルゲイン(為替差益)とは
獲得した値幅
為替差益によるキャピタルゲインには、株式投資と同じように安く買って高く売る「買い(ロングポジション)」だけでなく、円高時のように高く売って安く買う「売り(ショートポジション)」の2通りあります。
買い(ロングポジション)は、1ドル100円が1ドル102円となるような円安で利益を出すことができ、売り(ショートポジション)は1ドル100円が1ドル98円と円高の方向へ動いたときに利益を出すことができます。
これをドル円で例えると、買いはドルを買って円を売ること、売りはドルを売って円を買うことになります。 買いの方は、ドルを買えばよいので買い物と同じ感覚ですが、売りの方は持ってないものをいきなり売ることになるので、少しわかりづらいと思います。
株式投資でも「空売り」というものがありますが、売りは「売ったあとに買い戻す」ことで、一連の売買が完了します。 FXは相対取引(あいたいとりひき)と言って必ず買い手と売り手が存在するので、このような取引が成り立つのです。
ドル円を買う(ロングする)場合
Lot数 | 通貨数 | +1銭上昇 | -1銭下落 | +1円上昇 | -1円下落 | 必要証拠金 |
---|---|---|---|---|---|---|
0.1Lot | 1,000通貨 | +10円 | -10円 | +1,000円 | -1,000円 | 5,000円 |
1Lot | 1万通貨 | +100円 | -100円 | +1万円 | -1万円 | 5万円 |
10Lot | 10万通貨 | +1,000円 | -1,000円 | +10万円 | -10万円 | 50万円 |
100Lot | 100万通貨 | +1万円 | -1万円 | +100万円 | -100万円 | 500万円 |
ドル円を売る(ショートする)場合
Lot数 | 通貨数 | +1銭上昇 | -1銭下落 | +1円上昇 | -1円下落 | 必要証拠金 |
---|---|---|---|---|---|---|
0.1Lot | 1,000通貨 | -10円 | +10円 | -1,000円 | +1,000円 | 5,000円 |
1Lot | 1万通貨 | -100円 | +100円 | -1万円 | +1万円 | 5万円 |
10Lot | 10万通貨 | -1,000円 | +1,000円 | -10万円 | +10万円 | 50万円 |
100Lot | 100万通貨 | -1万円 | +1万円 | -100万円 | +100万円 | 500万円 |
インカムゲイン(スワップポイント)とは
毎日貯まっていく金利
インカムゲインには、スワップポイントと呼ばれる2国間の金利差から得られる利益があります。
例えば、日本円やスイスフランのような低金利通貨を売って、豪ドルや南アフリカランドのような高金利通貨を買うと、その金利の差額を受け取ることができるのです。
具体的には、日本円(金利0.1%)を売って豪ドル(金利2.50%)を買ったとします。すると、2.50%-0.1%=2.49%の金利差分が、スワップポイントとして1万通貨あたり1日約64円付きます。
これは毎日付与されますから、1年間保有しているだけで「64円×365日=23,360円」のスワップポイントが貯まっていくのです。
実際には、為替レートの変動によって為替損益が発生していますが、保有期間中は為替損益に関わらず付与されます。 日本の銀行に預けておいても雀の涙ほどの金利しか付きませんから、資産運用の一環として高金利通貨を保有するのも良いと思います。
ただし、急激な円高に見舞われた時などは貯まったスワップポイント以上に為替損失が発生する可能性もありますから、レバレッジを抑えて資金に余裕を持たせたうえで、スワップポイントを狙った方が良いでしょう。
買いポジション(ロング)の場合の利益
為替差益にスワップポイントがプラス
それでは、FXで実際に取引するにはどうしたらよいでしょうか?例えば、ドル円の取引をするとしてみましょう。
分かりやすく、「1ドル=100円」だったとします。 この時、ドル円を取引する方法には「買い(ロングポジション)」と、「売り(ショートポジジョン)」の2種類あります。
FX業者によって最低取引単位は異なりますが、ここでは1万通貨とします。
1万ドルを買うには、「1ドル:100円=10,000ドル:X」ですから、「100×10,000=1,000,000」で100万円必要になります。
ここで、FXの「レバレッジ(leverage)」と呼ばれるテコ(lever)の原理を利用してみましょう。
レバレッジをかけると、預けた証拠金に対して数倍から数十倍の運用を行うことができます。
仮にレバレッジを25倍掛けたとすると、「X×25=1,000,000」ですから、「1,000,000÷25=40,000」で40,000円あれば1万ドルの取引が行えることが分かります。
この1万ドルに対して、為替差益とスワップポイントで損益が出ることになるのです。
為替差益
1ドル100円の時に1万ドル買ったとすると、1ドル101円になれば1円の儲け(+1万円)になります。
スワップポイント
1日に付き、1万ドル当たりのスワップポイントが10円付与されるとすると、「10円×1万通貨=10円」となります。仮に1週間保有すると、「20円×7日=140円」付与されます。
最終的な損益(7日保有)
1ドル100円→1ドル101円 為替差益(+1万円)+スワップポイント(+140円)=+10,140円 の利益となります。
この時、1ドル99円と円高になっているようであれば、為替差損(-1万円)+スワップポイント(+140円)=-9,860円の損失になります。
売りポジション(ショート)の場合の利益
為替差益からスワップポイントをマイナス
ドル円のショートポジション(売り) ドルを売って円を買う取引です。
為替差益
1ドル100円の時に1万ドル売ったとすると、1ドル99円になれば1円の利益(+1万円)になります。
スワップポイント
1日に付き、1万ドル当たりのスワップポイントが10円付与されるとすると、ショートポジション(売り)の場合はマイナスのスワップポイントが付与されます。「-20円×1万通貨=-20円」となります。仮に1週間保有すると、「-20円×7日=-140円」付与されます。
最終的な損益(7日保有)
1ドル100円→1ドル99円 為替差益(+1万円)+スワップポイント(-140円)=+9,860円の利益となります。
この時、1ドル101円と円安になっているようであれば、為替差損(-1万円)+スワップポイント(-140円)=-10,140円の損失になります。
一見すると、ロングポジションはスワップポイントが付くので有利そうな気がしますが、下落局面ではマイナスのスワップ以上に急落することが多く、一概にロングポジションが有利とは言えません。
ロング、ショートに関わらず、ポジションを保有しているということは、利益を得られるチャンスがあると同時に、損失を被る可能性もあるという状態です。
ポジションを保有している間は、ほったらかしにせず為替ニュースをチェックしたり、経済指標の結果をよく確認しておきましょう。
保有期間が長くなればなるほどリスクにさらされる可能性も高まりますから、いつどのタイミングで決済するのか、あるいは一定期間保有し続けるのかを考え、急激な変動が起こった際には臨機応変に行動できるようにしておいてください。
最終更新日 : 2021-09-06